第2回卓越サロンを実施しました
日時:2019 年 3 月 27 日 10:00~12:00
場所:東京大学柏キャンパス 基盤棟 3E3( 篠田牧野研究室
主担当:新領域創成科学研究科 複雑理工学専攻 修士二年 森崎汰雄
開催内容
当日 は、まず 10:00~11:00で篠田牧野研究室のデモ展示 (主担当の研究紹介含む )を行った。その後デモ
展示の内容を踏まえ、 11:00~12:00で ディスカッションを行った。
デモ展示 (10:00~11:00)
本デモにおいては、合計で13テーマの展示を行った。 当研究室のメインテーマは「触覚」及び「超音波を用いた非接触な触覚 /力提示」であるため、第三者に体験してもらって初めて研究の価値を正確に伝えることが出来る。このため、このようなデモの機会は発表側にとっても 重要 である。 森崎は 、自らの研究である「触覚を付与した飛行物体の 3次元ジェスチャ制御」及び「超音波による移動物体の軌道制御」についてデモ展示を行った。
ディスカッション (11:00~12:00)
ディスカッションは、 デモ展示の内容を踏まえて、当研究室 や 森崎自身のテーマをどのように発展さ
せていくか、また、これまでに無かった応用先はないか 、という二点について行われた。 以下に意見や質問をまとめる。
- 超音波で生まれる力の最大はどのくらい か
- 超音波による力は 強くなる見込みはあるのか
- VR的な 触覚体験を呈示するには十分な力であるのか
- やはりグローブなど接触型の触覚デバイスの方 が強い提示力を有するため 、VRには向いている気がするが、超音波ならではの強みはあるのか
- 入力 (センシング )デバイスと出力 (超音波 )デバイスを組み合わせたアプリケーションのテーマが多いように思うが、主眼に置いているのはどちらか
- サステイナビリティなどへの貢献を考えたことはあるか
- 量産体制など、社会実装する準備はあるのか
- 非接触な点を生かして、手術中に用いるピンセットなどを超音波で代替することはできないか
- 研究用に小魚を大量に飼育しているが、これら群の動きを超音波で制御することは可能か
卓越サロンを終えて
まず、別分野の研究者にデモ展示を行えたことは重要な経験であった。デモ展示の機会自体は、各学会
での発表を通じて頻繁に得ることが出来る。しかし、これら学会に参加するのもまた触覚やVRが専門の
研究者であるため、これら分野の「常識」にのっとった反応が出ることが多く、閉じた議論になりがちである。この点において、今回行われたデモ展示は森崎だけでなく、他の研究室メンバーにとって非常に良い経験であったといえる。
同様に、デモ後に行われたディスカッションも非常に有意義であった。いただいた意見の中でも、「手
術中のピンセット代用」 や「小魚の群れ制御」はとりわけユニークで在り、これまで行われてきた研究室内の議論においても、触れられてこなかった領域であった。これらの領域を専門とする研究者と今後もWINGSを通じて関わることが出来るため、一提案に留まらず共同研究に発展させていきたい。