プログラムの概要

1. プログラムの理念

東京大学「プロアクティブ環境学国際卓越大学院プログラム(WINGS-PES)」は、優秀な日本人学生および外国人留学生を対象とした修・博5年一貫プログラムです。文系・理系を含む多様な分野を柏地区において集結させ、独創的な既存領域の邂逅と融合を通して新たな学問領域の創造に取り組んできた新領域創成科学研究科の特性と、世界最先端研究の拠点である附置研究所群やつくばの研究開発機構等との、密な教育研究交流を進められる柏地区の立地特性を活かして、「環境知のプロフェッショナル」養成に向けて取り組みます。

2. 養成する人材像

本プログラムが養成するのは、以下の内容を俯瞰的かつ専門的に学び実践する「環境知プロフェッショナル」です。

  • 高度なデータ解析と予測技術に基づくプロアクティブなアプローチを行う
  • 持続可能な地球社会の実現に向けた課題を先取りする
  • サステイナビリティ学の理念に沿う
  • 複雑で多義的な問題に社会が進むべき方向を提示する

3. プログラム内容

「2. 養成する人材像」に述べる人材を養成するため、既存の専攻群において修得する個別分野の高度な専門性に加え、高度データ解析・シミュレーション等を用いた予測技術等に基づくプロアクティブ・アプローチ、サステイナビリティに関わる概念と幅広い方法論、課題を解決するリーダーシップ、国際コミュニケ―ションに関わる修学機会を組み込んだ体系的な教育課程を構築しています。さらに、主指導教員とは専門分野の異なる副指導教員を付け、異分野の研究方法の指導や洞察力育成のための学習指導体制を強化、徹底しています。

具体的には、下記4つの要素を組み込んだ体系的な教育課程を実施しています。

Aサステイナビリティ学

サステイナビリティ学

地球社会の持続性を考える基礎となるサステイナビリティ学の概念と方法論を習得し、国際社会においてその重要性が掲げられている「サステイナビリティ」の概念を自らの研究課題との関連において理解するための講義群。および、異なる専門的知見を有したプログラム生が協働して「サステイナビリティ」に係る共通の課題に取り組む経験を、実習を通して得ることによって、サステイナビリティ学を学術と実践の両面から牽引する人材を育てる実習科目群。

Bプロアクティブ・リサーチコモンズ

プロアクティブ・リサーチコモンズ

高度データ解析手法、ビッグデータ活用、スマートセンシング、シミュレーションによる予測技術等、新領域創成科学研究科で進めている研究の実体験と異分野研究のテーマや方法のノウハウの習得を通じたプロアクティブ・アプローチを理解する講義群。および、価値創造デザイン推進基盤(生産技術研究所)等との連携によって、開発・研究への応用法のアイデアを練り、討論とその成果のプレゼンテーションを通じることで、社会の将来的な課題を予測し、その解決を図ることで、独自の研究方法を開拓する実習科目群。

C環境知プロフェッショナル実習

環境知プロフェッショナル実習

本プログラムが5年一貫であることを活かした、長期(3か月程度)のインターンシップや現地での実習を含む実習科目群。例として海外実習や、柏キャンパス(Ⅰ・Ⅱ)内の研究所やつくばの研究機関等における高度な分析調査技術の修得、地域連携組織等と社会や産業の実問題に中心的に関わる機会を通じたリーダーシップの修得のための実習等。

D国際コミュニケーション

国際コミュニケーション

修士課程の早い時期における外国人教員による批判的思考法の講義、英語論文の書き方の授業と、外国人学生に英語で自身の研究分野をガイダンスする体験を通じた語学力を修得する科目群。

以上に加えて、プログラム生には「卓越サロン」への参加を義務づけています。「卓越サロン」は、プログラムに参加する学生・教員合同の学融合研究コミュニティです。メンバー間でのコミュニケーションを促進することで、学術研究の最先端に触れると同時に、異分野間の研究を理解し、刺激を受け合いながら切磋琢磨する環境を創り出しています。

プロアクティブ環境学国際卓越大学院プログラム
プログラムの概要

本プログラムのロゴマークについて

WINGS-PESロゴマーク

本プログラムのロゴマークは、プログラムウェブサイトのリニューアルに合わせて、2022年10月に決定しました。
決定に当たっては、新領域創成科学研究科の学生からコンセプト・デザインを広く募集するとともに、候補作品について本プログラム生による投票を行いました。


ロゴマークは、本プログラム名の略称WINGS-PESのPESをキューブ型に積み上げることで、持続可能な社会の実現に向けた課題解決に不可欠である、社会的事象への多角的な視点や多面的な思考による全体像を捉える力を表現しています。
色は、新領域創成科学研究科のロゴマークと同じ金と青の2色を採用し、新領域創成科学研究科が推進する学融合研究の理念に本プログラムが則っていることを表しました。
また、金色のPに羽を持たせることで、未来の課題を先取りし、社会の進むべき方向をプロアクティブに提示する「環境知のプロフェッショナル」を目指して羽ばたいてほしい、というプログラム生への願いが込められています。