多分野が集う環境で自分の研究の解釈やアプローチを広げていきたい
近藤 唯貴
(8期生・理学系研究科 生物科学専攻)
川に生息する巻貝の中には、孵化した幼生が海洋へと分散し、再び河川を遡上する“両側回遊”という生活史を持つ系統がいます。海洋に隔離された熱帯島嶼では両側回遊動物が優占しますが、こうしたコストがかかる戦略が成立する機構や、卓越する意義について研究しています。
回遊は海洋循環の影響を受けるため、その理解には地球惑星規模の変動を考える必要があります。私の専門は生物学ですが、地殻変動や海洋循環を含む地球惑星科学や、個体年齢推定のための分析化学など、多分野の背景を持つ人たちが集まるPESで議論を重ねることで自分の研究の解釈やアプローチを広げていきたいと考えています。
またPESの掲げる持続可能性という問題を社会学的な面から学ぶことも、生物種が安定に存続できる範囲を考える端緒になるかもしれないと想像しています。