第3回卓越サロンを実施しました
修士2年 Calvin Duong
日時:2019年6月21日(金)10:00-12:00
場所:白金台キャンパス 医科学研究所 総合研究棟3階 ウイルス感染分野 河岡ラボ
専攻:新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻
Event summary
WINGSの学生・教員13人が10:00に医科学研究所に集合しました。インフルエンザウイルス学の概要とインフルエンザの臨床的性質についての説明を行った後、研究室を見学し、教授と学生が近くで作業することで、良いコミュニケーションが可能になるということを説明しました。研究室では、オートクレーブ、遠心分離機、インキュベーターなど、生物学の研究室で一般的に使われる機械について紹介しました。その後、河岡研究室の博士課程の学生によるScanning Electron Microscopy (走査型電子顕微鏡)とTransmission Electron Microscopy(透過型電子顕微鏡)の実演を見学し、インフルエンザ感染細胞を観察しました。実演の見学では、感染細胞の大きさや電子顕微鏡の使用手順などについての質問が飛び交いました。研究室見学の後、参加者でディスカッションする場を設け、大規模な災害の際の科学者の役割などについての議論が交わされました。
Discussion
ディスカッションでは、地震や感染症拡大などの被害が起こった場合の科学者の役割について話し合いました。危機を緩和する方法は一般に知られていないため、常日頃から科学者が危機に備えて研究を重ね、緊急事態を避けられるようにしておかなければなりません。また、研究から重大な内容が明らかになった場合は、医師やエンジニア、政治家などに伝え、実行されるようにする必要があります。例えば、医学研究においては、突然広まる病気を正確に予測することは困難です。(例:2015年のジカ熱の世界的流行)しかし、プロアクティブ・リサーチを重ねることで、感染が手に負えない状態に達する前に対策を講じることができます。ディスカッションでは、耐震技術の研究において、大規模な地震に耐えられる建築方法を発見するために、様々な構造や材料にストレステストを行うことが例として挙げられました。
Impressions
自分の研究を他の分野の学生や教員と共有できたのはすばらしい経験でした。難しい研究内容を誰でも理解できるいい方で説明できるようにすることが重要だと思います。自分の分野に限っても、研究内容は多岐にわたります。私の研究ではウイルスの構造を扱っていないため、サロンに参加した先生からウイルスの大きさについての質問があり、答えに迷いました。ウイルスによって大きさが異なるからですが、電子顕微鏡の実演で実際に見ていただくことで回答ができたと思います。ディスカッションにおいては、危機に直面した際の科学者の役割について話し合うことができて満足しています。このような疑問に取り組むことで、プロアクティブな研究目的を掲げた研究者の一員でいることの意味と社会における役割について、より理解が深まりました。私の研究を他のWINGSの学生や先生方と共有する機会があったことに感謝しています。また、私がこれまで考えていなかった観点から自分の研究を掘り下げる機会をいただいて、非常に良い経験になりました。ここで得たものの見方は、自分の研究を社会に当てはめたり、研究目的を説明したりする際に役立つと思います。